QC検定3級のインプットが完了したら次はQC検定2級の内容に踏み込んでいきます。
内容は統計検定2級〜統計検定準1級の前半+暗記物という感じです。
合格者の中で評判の良い『ゼロからわかる! QC検定® 2級 テキスト & 問題集』を用いて主要部分をピックアップして解説していきます。
統計検定である程度の統計の知識がある方を想定した記事になります。(暗記色が強めです)
品質管理の基本
QCD+PSMEを広義の品質といいます。
品質要素とは製品を評価する項目です。
品質特性とは品質要素を客観的に評価する指標
真の品質特性とは直接測定可能な品質特性を言います。
代用特性とは直接測定することが難しい際に代わりに用いる特性です。
4つの品質は次の狩野モデルで覚えるのがおすすめです。
PDCAの基礎になったのはデミングサイクルです。
これは生産活動を設計、生産、販売、調査・サービスの四分円に分け責任感の大切さを表しています。
品質保証
活動一連をプロセスの集合とみなして管理していくことをプロセスアプローチといいます。
品質保証体系図とはどの段階でどの部署がどのような活動を行うかの図です。
品質機能展開(QFD)とは品質表などで顧客のニーズと品質特性を結びつけて見える化をします。
→技術展開といいます。
FMEAでは危険優先指数(RPN)を計算し大きい項目から実施します。
QAネットワークとは保証の網で不適合等と工程の関係を一覧にした表です。
要求品質を製造技術へ展開したQA表もあります。
PSマーク制度(商品が市場に流通する前に安全を確保すること)などもありますね!
その他、重大製品事故情報報告・公表制度、長期使用製品安全点検・公表制度もあります。
PL(製造物責任)にはPLP(製造物責任予防)PLD(製造物責任防御)があります。
PL法は1994年に制定され翌年に実施されました。
損害賠償は損害を知ってから3年間、10年間で時効となります。
初期流動管理とは立ち上げ段階でスムーズな立ち上げ(垂直立ち上げ)を図るものです。
作業標準書とは作業方法や管理方法などの手順を定めたものです。
QC工程図は全てのプロセスをフローチャートで示した文書です。管理項目や管理水準、管理方法などを記載します。
通常は問題の原因を追求する是正処置が大事ですが新商品開発では未然防止の方が重要です。
検査とは商品が規定要求事項(顧客の要求品質+自分で決めた品質)に合致しているかを判断するものです。
調査には全数調査と抜取調査があります。
抜取調査は計数値抜取検査と計量値抜取検査(平均値や標準偏差など)があります。
抜取検査の1つの基準型抜取検査では生産者危険や消費者危険があります。
他には無試験検査や間接検査もあります。
官能検査は人間の感覚で行う検査で、完成品質とともに大事な概念です。
計測は何かの目的を達成するために物事の量を測定することです。
測定機器の校正(標準器を用います)や標準化はとても大事です。
直線性とは測定器の測定範囲全体にわたってのかたよりの変化のことです。
品質管理の要素
方針(経営陣が正式に決めた方向性)=重点課題+目標(重点課題の達成に向けた取り組みの目指す到達点)+方策(目標を達成するために選ばれる手段)
方針管理:課題達成などに取り組む活動
方針展開:上位の方針を下位の方針にブレークダウンしていくことです
管理項目:目標達成を管理する評価尺度のことです
機能別管理:関係者が部門横断的に連携して取り組む改善活動です
部門別管理:上と異なり縦のラインのことです。
標準類とは統一化されたルールのことです
IEC規格→電気製品
ITU規格→通信
EN規格→欧州各国
ANSI規格→米国
JIS規格は主務大臣の承認により制定されます。
JIS=基本規格+方法規格+製品規格などです。
日本はJIS規格(産業分野)とJAS規格(食品や農林分野)があります。
ISO 9001はISO9000の1つでJIS9000は日本の規格です。
顧客重視→顧客の要求事項と期待を超えます
リーダーシップ→目的及び目指す方向を一致させます
人々の積極的参加→力量ある人材が必須です
プロセスアプローチ→予測可能な結果が達成できます
改善
客観的事実に基づく意思決定→分析及び評価により結果が得られる可能性が高まります。
関係性管理→利害関係者との関係のマネジメントをします。
JIS Q 9001にはリスクに基づく考え方が載っています。
JIS Q 9000には用語の定義が載っています。
内部監査は第一者監査と呼ばれ、組織自身によって監査が行われます。
外部監査は第二者監査(組織の利害関係者が行います)と
第三者監査(外部の独立した監査組織により行われます)
第三者委員会と似てますよね笑
社会的責任を負うのは企業だけではない観点から2010年にISO26000が制定されました。
商品企画七つ道具
お客に感動を与える商品を提供するために4つの活動と商品企画七つ道具が必要です。
4つの活動
①確実な調査
②ユニークな発想
③最適コンセプトの構築
④構築したコンセプトの技術への橋渡し
インタビュー調査→確実な調査
グループインタビューや評価グリッド法などを用います。
アンケート調査→確実な調査
方向性を明確にします。
ポジショニング分析→確実な調査
自社の商品がどの位置にいるかを確認します。
アイデア発想法→ユニークな発想
焦点発想法、アナロジー発想法、チェックリスト発想法、シーズ発想法などがあります。
アイデア選択法→ユニークな発想
重み付け評価法や一対比比較評価法(AHP)などがあります。
コンジョイント分析→最適コンセプトの構築
製品の重要な要素同士の組み合わせを評価してもらいます。
品質表→構成したコンセプトの技術への橋渡し
要求品質と品質特性をマトリックス表にしたもので技術者が設計に利用します。
データの取り方とまとめ方
2段サンプリング(1次単位→2次単位ともにランダムサンプリング)はコスパが良いがランダムサンプリングと比べて精度が落ちます。
層別サンプリング(送別に分け各層(1次サンプル)から(2次サンプルを)ランダムサンプリング)は層内のばらつきが小さくなるよう設定します。正しく層別できればランダムサンプリングより精度が良いが事前に母集団の構成を把握する必要があります。
集落サンプリング(クラスターをランダムに選び、2次単位を全数調査する)は労力を削減できますが、集落を適切に設定しないと結果に偏りが生じます。
系統サンプリングは周期性があると偏りが生じます。
QC検定では標準偏差は不偏分散の平方根になります。
統計的方法の基礎
正規分布は釣鐘型です。またQC検定では上側ε点のことをKpと表します。
ポアソン分布(詳しくはこちら)は単位時間あたり平均λ回起こることが実際に単位時間あたりにx回起きる確率Pを表す確率分布です。
計量値データの検定と推定
左側検定のことを下側検定ということがあります。同様に右側検定を上側検定とも言います。
第一種過誤をあわてものの誤り、
第二種過誤をぼんやりものの誤りとも言います。
帰無仮説を前提とすると、棄却域に入るのは珍しいように思えます。この確率がαです。
対立仮説を前提とすると、棄却域に入るのは珍しいことではありませんでした。この確率が検出力です。
表にすると覚えやすいですよ。事実と判断で分類して考えます。
区間推定の信頼区間の端点ことを、下側信頼限界、上側院来限界と言います。
t分布で有意水準αを用いる場合は、t(φ,α)と表します。φは自由度です。両側検定の時はαを2αとします。
QC検定では統計検定で登場したプールした分散のことを併合分散と言います。
ウェルチの検定(母分散未知で等しくない場合の2つの母平均の差)のt検定の自由度を等価自由度といいます。ただしQC検定2級ではヒントが出されます。
F分布における下側確率の求め方
①自由度(7,6)ならまず自由度を逆にします。
②F表から自由度(6,7)を調べます。
③得られた数値を逆数にします。
F検定は基本的にF表を駆使して上側で考えます。
計数値データの検定と推定
正規分布近似の条件は、np≧5かつn(1-p)≧5ならnは十分大きいと言えます。
不適合学とは単位あたりの欠点数のことです。こちらもnλ≧5なら正規近似できるとします。λは1単位あたりの不適合数です。
QC七つ道具と新QC七つ道具
QC検定3級で学習済みですが、付け足しを行います。
ヒストグラムにおいて規格があるときは、ヒストグラムが規格の上限と下限の間にゆとりをもって収まっているかを確認します。
散布図において曲線的な関係があるという表現もあります。
系統図法はトーナメント表のような形をしていると考えれば覚えやすいですね!
ループ禁止・1対の結合間に2本以上の矢印も禁止
このようなときはダミー接続をします。
PDPC法はトラブルを事前に予測する点でアローダイアグラムと異なります。
相関分析
まずは統計検定準1級(合格法はこちら)でも登場した符号検定です。これが基本となります。
有意の場合は相関があると言えますね。
有意でないときは独立なので相関がないとなります。
符号検定とは相反する2つの事象が起きる確率が50%か調べたい場面で用います。
符号検定表を用いて判断します。(これはQC検定で初登場です)
表の数字は+と−のいずれか小さい方の符号の数でありこの数以下ならば有意とします。
大波の検定
2つの変数に対しそれぞれのメディアンより大きければ+、小さければ−で符号化し、
これらがどの程度揃っているか符号検定により判断する方法です。
メディアンで見ているので周期の長い変動を見ていると考えられますね!
だから大波ですね!
小波の検定
2つの変数に対し、測定順に見て、直前の値より大きければ+、小さければ−で符号化し、
これらがどの程度揃っているかを符号検定によって判断する方法です。
なるほど!だから小波の検定なのですね!
単回帰分析
相関分析→2つの変数の関係を調べます
回帰分析→片方の変数からもう一方の変数を説明します
分散分析における単回帰の自由度はφR=1です。なぜなら回帰式の係数の数(定数を除く)であるからです。
F検定で有意であったときは回帰に意味があったとします。
寄与率(決定係数)は回帰変動を総変動で割った値で相関係数の2乗に等しくなります。
寄与率が高いとは回帰直線付近にデータが密集していることを言います。
管理図(製品規格を管理限界線に設定できません)
QC検定2級で出題される管理図は7種類です。
計量値は、x̄-R管理図、x̄-s管理図、X-Rs管理図
係数値は、p管理図、np管理図、u管理図、c管理図
QC検定3級に加えて上の太字の4つが初登場です。
x̄-s管理図
ばらつき(範囲R)の変化(郡内変動)を標準偏差sとして、計量値の分布の平均とばらつきを管理、解析するための管理図です。
x̄-R管理図
QC検定3級では管理線まで計算しました。
これに加えて分散、郡内変動、群間変動の推定値の関係も出題されます。
具体例を用いて出し方を覚えましょう。
大きさ7のサンプルを抽出し、30群集めた。30群分のx̄の合計が1515でRの合計が285であるとき、管理線を計算する。
サンプルを群の大きさを5として15日間収集したら日々の範囲Rの平均値が13.5であった。
分散の推定値は問題文で与えられます。kは群の数です。
2乗がついているかいないかを確認しましょう。
異常は①管理限界線を超える点②長い連③傾向④周期⑤中心線・管理限界線に接近している場合です。
この3シグマの範囲が管理図の基本になります。
X-Rs管理図
1つの群に1つの測定値しか得られない場合に用います。
複数の測定値が得られる場合にも用いることができます。
Rs管理図はばらつき(移動範囲)の変化を表します。移動範囲とは隣り合った群の番号間の計量値の差分です。
それぞれのCLを求める際はデータが存在するnの数に注意して割り算をしましょう。
Rs管理図のLCLがないのはどうしてですか?
Rsは2個のデータから計算した範囲なので係数表のn=2に注目して管理線を算出します。
なるほど!データがーとなっているので計算する必要がないのですね!
p管理図
群の大きさが異なるので各群ごとに管理限界線を出します。
縦軸は確率なので負になった場合などは打点してはいけません。
不適合品率p(各群の不適合品率)の平均値と群の大きさを用いてp管理図の管理限界線は次の式で与えられます。
3シグマ管理限界線になってますね!
これを群の数だけ繋げたものを書く必要があるので、全て書く場合は膨大な時間がかかります。
np管理図
群の大きさが一定なので管理限界線も一定となります。
第一項を平均不適合品数といい、不適合品数xを群の数kで割った値となります。
今回の平均不適合品率はデータ全体で考えたときの不適合品率の平均値になります。
nは群の大きさとなります。
u管理図
単位あたりの不適合数(これをuとします。不適合数自体はcです)の管理に用います。ポアソン分布が絡んできます。
あれ?さっきも似たのがありましたよね?
p管理図などの不適合品数とは異なる概念です。u管理図などの不適合数とは傷などのそのものの数を表しています。
なるほど。不適合品数は傷のある腕時計の数で、不適合数は時計についた傷そのものの数なのですね。
u管理図は群によって群の大きさ(合板の大きさ(など)と単位数)が変動するため、p管理図のように別々の管理限界線を計算しないといけません。群の大きさが小さくなるほど管理限界線幅は広くなります。
c管理図
c管理図は不適合数の管理に用います。群の大きさは一定で、すべての群に対して同じ管理限界線を用いることができます。
工程能力指数
工程能力指数とは安定状態にある工程が品質を実現する能力(工程能力)を測る指標です。
つまりデータのばらつきがどのくらいの余裕をもって規格内に収まるかの数値のことです。
ばらつきが小さいほど工程能力が高い(精度が高い)ことになります。
計算には規格値を用います。規格値には両側企画と片側規格があります。
工程能力指数でのかたよりとは、データの平均値と規格の中央がどれくらい離れているかで考えます。
Su,Slをそれぞれ規格上限値、規格下限値と表します。
まずは工程能力指数の計算方法を復習します。両側規格と片側規格があります。Cpkの方では値がマイナスになったら絶対値をつけます。
工程能力指数の判断値は0.67,1.00,1.33,1.67でしたね。1/3刻みで覚えましょう。
でもなぜこの値になるのでしょうか?
抜取検査
計数と計量の規準型抜取検査があります。つまり2種類の抜取検査があります。
ロットの大きさをNとします。
サンプル(ロットから抜き取られる検査単位)の大きさをnとします。
合否判定個数をcとします。
計量基準型抜取検査での合格判定を下す限界値を合格判定値といいます。
OC曲線(検査特性曲線)で、ある品質のロットがどれくらいの割合で合格となるかを読み取ることができます。
つまり抜取検査のきびしさの程度を表すグラフです。
例えば求人の応募者をn、内定者をcとします。このときnとcを変化させたときのOC曲線の振る舞いを考えます。
cが一定でnを変化させたときのOC曲線の様子です。
次はnが一定でcを変化させたときのOC曲線です。
計数規準型抜取検査
計数規準型抜取検査とは生産者に対する保護(α)と消費者に対する保護(β)をそれぞれ規定して、両者の要求を満足するように組み立てた抜取検査のことです。
計数規準型一回抜取検査を考えます。この検査の流れを覚えましょう!
1:品質基準を決めます
2:不適合品率の上限と下限を決めます。(比は4~10が望ましいです)
JIS Z 9002ではα=0.05,β=0.10を基準としています。
3:ロットを形成します。
4:nとcを決めます。
5:サンプルを取ります。
6:サンプルを調べます。
7:合格・不合格の判定を下します。
8:ロットを処理します。
nとcを決めるところを説明します。
計量規準型抜取検査
計量基準型抜取検査とはロットから抜き取ったサンプルを試験として得た計量値のデータを合格判定値と比較して、ロットの合格・不合格を判定する検査のことです。
計数基準型抜取検査よりnが少なくて済む利点があります。(それを目的に用います。)
この方式は計量値が正規分布に従うと仮定したときのみ適用できます。
計量規準型一回抜取検査は標準偏差σが既知の場合と未知の場合があり、
保証する対象がロットの平均値を保証する場合とロットの不適合品率を保証する場合に分類されます。
標準偏差σが既知でロットの平均値を保証する場合
1:測定方法を定めます。
2:なるべく合格させたいロットの平均値の限界m0と、なるべく不合格としたいロットの平均値の限界m1の値を指定します。
mはロットの平均値を表します。JIS Z 9002ではα=0.05,β=0.10を基準としています。
3:ロットを形成します。
4:ロットの標準偏差σを指定します。(未知の場合は推定します)
5:サンプルの大きさnと合格判定値を求めます。表(JIS Z 9003:1979)より計数G0を求めます。
6:サンプルを取ります。
7:サンプルの特性値の平均値x̄を計算します。
8:合格・不合格の判定を下します。
標準偏差σが既知でロットの不適合品率を保証する場合
1:測定方法を定めます。(上限規格値または下限規格値を定めます)
2:なるべく合格させたいロットの不適合品率の上限p0と、なるべく不合格としたいロットの不適合品率の下限p1の値を指定します。
JIS Z 9002ではα=0.05,β=0.10を基準としています。
3:ロットを形成します。
4:ロットの標準偏差σを指定します。
5:nと合格判定計数kを求めます。抜取検査表(JIS Z 9003:1979)を用います。
6:サンプルを取ります。
7:サンプルの特性値xの平均値x̄を計算します。
8:合格・不合格の判定を下します。
標準偏差σが未知でロットの不適合品率を保証する場合
1:測定方法を定めます。(上限規格値または下限規格値を定めます)
2:なるべく合格させたいロットの不適合品率の上限p0と、なるべく不合格としたいロットの不適合品率の下限p1の値を指定します。
JIS Z 9002ではα=0.05,β=0.10を基準としています。
3:ロットを形成します。
4:nと合格判定計数kを求めます。抜取検査表(JIS Z 9004:1983)を用います。
5:サンプルを取ります。
6:サンプルの特性値xの平均値x̄と標準偏差sを計算します。
7:合格・不合格の判定を下します。
実験計画法
一元配置実験と二元配置実験(交互作用がない場合)
平方和の算出について、統計検定ではCTを用いないのですが、QC検定ではCTを用いて計算します。
二元配置実験の場合の平方和の公式はこれに次のものを追加すればOKです。
母平均の点推定、母平均の信頼率1-αの信頼区間、母平均の差の推定、誤差の推定について覚えておきましょう!
誤差分散と平方和の関係、分散はカイ2乗分布を用いて表現することを理解していればすんなり通過できるところです。
統計検定準1級(合格法はこちら)でもそうなのですが、二元配置実験は推定に関する公式が難しいです。理屈を理解しながら覚えましょう!
繰り返しがある場合は、有効反復数の代わりに繰り返し数rを代入できます。
二元配置実験(繰り返しがある場合)
交互作用効果がある場合の二元配置実験を考えます。まずは今までとは異なるときの平方和の公式をまとめます。
A×Bは交互作用を表しています。第一式は級間平方和のことです。
プーリングは交互作用が有意でないと考えられるときに可能です。目安はF0値が2以下、または有意水準20%で有意でないとされる場合です。
平方和などの計算は交互作用を誤差と考えて再度計算すればOKです。自由度も交互作用分が足されることになります。
信頼性工学
信頼性とは、アイテムが与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質(JIS-Z8115:2000)
信頼性=耐久性+保全性+設計信頼性です。
フェールセーフとは故障時に安全を保つことができるシステムの性質です。
フールプルーフとは人為的に不適切な行為、過失が起こっても、システムの信頼性および安全性を保持する性質です。
MTTFとはmean time to failureつまり故障までの平均時間です。
使い捨てタイプの電球が使用開始してから故障するまでの時間のイメージです。
MTBFは故障間動作時間の期待値です。つまり修理系です。修理してから次に故障するまでの平均動作時間です。
B10ライフとは全体の10%が故障するまでの時間です。
修理を視点とした場合の用語を教えてください。
MTTR(mean time to repair)やアベイラビリティがあります。
MTTRは修復時間の期待値です。
例えば、A時間動作→B時間修理→C時間動作→D時間修理→E時間動作→F時間修理した場合は、
MTBF=(A+C+E)/3
MTTR=(B+D+F)/3
アベイラビリティ=MTBF/(MTBF+MTTF)です。
信頼性モデル
信頼性モデルとは、信頼性特性値(尺度)の予測または推定に用いる数学モデルで直列系と冗長系に分かれます。
冗長系は並列系、m-out-of-n(m/n)冗長系、待機冗長系があります。
m/n系は、n個の構成要素のうち少なくともm個が機能していなければならない冗長系のことです。
直列系
並列系
バスタブ曲線
バスタブ曲線とは、故障率が時間の経過に伴って減少→一定→増加の順になっている曲線のことです。
初期故障期(DFR)設計などの段階が原因です。
偶発故障期(CFR)偶発的現象による故障です。
摩耗故障期(IFR)経年劣化などによる故障です。
QC検定2級のインプットはこれで終了です。今回の勉強に使用した『ゼロからわかる! QC検定® 2級 テキスト & 問題集』は統計検定にも使用できる素晴らしい本ですので要チェックです。
QC検定3級と比べて結構なボリュームでしたね!
次回はQC検定1級ですが1記事にまとめるのは困難ですので分割をしながら記事にしていきます。ご期待ください。