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【アクチュアリー数学】確率範囲の指定参考書『国沢統計』第7章「相関係数と回帰分析」の勉強法

アクチュアリー数学で対策しておいた方が良いと言われる統計分野の内容は『確率統計演習 2 統計』から次の5章分の内容になっています。

点推定・区間推定・検定・標本分布論・(回帰分析)

回帰分析だけ( )になっているのはなぜですか?

アクチュアリー数学ではモデリングという分野の中に回帰分析が含まれているためです。『確率統計演習 2 統計』では回帰分析の内容もダブっているので、5章分の中で対策という意味では優先度が低いものの未出問題が多々あるので時間的余裕があるなら学習すべき分野となります。

本記事では他の分野と比べて問題量が少ないですが、重相関係数や偏相関係数を余因子行列を用いて求めるテクニックなど、『確率統計演習 2 統計』でしか学習できない内容も含まれており必見の内容となっています。学習の際は、回帰係数の分散の導出がメインとなっているので、そちらを独自でこなせることを1つの目標としてください。

以下、他分野の内容一覧です。分散分析と管理図の章はアクチュアリー数学では問われません。

第2章:統計的推定
第3章:区間推定法
第4章:統計的検定
第5章:標本分布と標本調査
第6章:分散分析(統計検定1級のため学習)
第7章:相関係数と回帰分析
第8章:管理図、簡易解析法(管理図のみ学習)

『国沢統計』第7章「相関係数と回帰分析」の例題

確率統計演習 2 統計』では特に指定がない場合は回帰分析の問題は、単回帰分析の問題を扱っています。

母相関係数の検定
単回帰分析
回帰係数の区間推定

確率統計演習 2 統計』の解説ではnをn-2として計算していましたが誤植だと思われます。

次の例題4は第7章の中で最難関です。繰り返しがある場合の問題は『確率統計演習 2 統計』にしか載っておらず、なかなかお目にかかれない問題です。ポイントは回帰式を用いて良いのか、そしてその回帰式は直線として良いのか?を中心にF検定を行っていくことになります。

とても複雑ですので、下記に理論部分を提示してから例題4に取り掛かります。

繰り返しがある場合のF検定

それでは例題4に移ります。

繰り返しがある場合の回帰係数の検定
母相関係数の検定

例題6は重回帰分析になります。

重回帰分析における回帰係数の点推定

初めの構造式の右辺のεは厳密には添字i,jがついて各イプシロンは独立同分布となります。

回帰係数の分布

確率統計演習 2 統計』の解説が誤りだと感じたため解き直しました。

次はいよいよ最後の例題です。本問はアクチュアリー数学において単回帰分析の回帰係数に関する期待値と分散、そして共分散の公式を導出させる問題で、とても有意義なものです。そのため原題を本試験用にアレンジして問題数を増やして学習効率の向上を図りました。

回帰係数の性質

本問では問いませんでしたが、少し発展させた予測誤差の分布も考えることができます。

『国沢統計』第7章「相関係数と回帰分析」の問題

ここでは回帰分析の問題を中心に数問の問題を扱いますが、公式確認がメインの演習問題群となっています。具体的な問題設定は『確率統計演習 2 統計』をご確認ください。

回帰分析の問題

n<100のときの母相関係数の検定
n≧100のときの母相関係数の検定
単回帰分析
単回帰分析
z変換
重相関係数と偏相関係数

統計検定で偏相関係数は頻出ですが、『確率統計演習 2 統計』ではユニークな方法で算出の仕方を解説しています。余因子を考えることにより重相関係数などを統一的に与えることができます。ただし偏相関係数は分子にーをつける時があり、その際には注意が必要です。また母偏相関係数の検定(無相関の検定の応用)ではn-2でなくn-3を用いますのでご注意ください。

以上で『確率統計演習 2 統計』を用いたアクチュアリー数学の統計分野の演習は終了です。

確率分野の演習問題と合わせるとかなりのボリュームになりましたね。私も頑張りますので、一緒に復習を頑張っていきましょう!

国沢確率の全ての章の解説記事はこちらから飛べます!

以下、『確率統計演習 2 統計』の他分野の内容一覧です。分散分析と管理図の章はアクチュアリー数学では問われません。

第2章:統計的推定
第3章:区間推定法
第4章:統計的検定
第5章:標本分布と標本調査
第6章:分散分析(統計検定1級のため学習)
第7章:相関係数と回帰分析
第8章:管理図、簡易解析法(管理図のみ学習)

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志田龍太郎

東京大学修士→30代セミFIRE元数学教諭(麻布高など指導)/アクチュアリー数学,統計検定1級(2024年に再挑戦)/数検1級→高3・漢検1級→教諭時代に合格/ブログ+SNS運営/AmazonAssociates連携

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