統計検定1級について色々と書きたいと思います。
最近結構人気が出てきている検定ですね。
そうですね。受験準備と受験の様子と受験結果について書きたいと思います。
統計検定1級を受験したいと思っている方にとって良いアドバイスができればと思います。
統計検定1級はすごいという認識を持った
結果から言うと2023年の統計検定1級は不合格でした。
そのため不合格体験記と考えていただければOKです。
反省点なども含んでおりますので、参考にしていただければ嬉しいです!
統計応用は理工学を受験しました。
統計検定1級を受験しようと思ったきっかけは何ですか?
現在の中学校高等学校の新課程で統計が入ってくること、そしてこれからは統計学が大事になってくるという認識を持ったからです。
令和6年の大学入試から統計学が本格的に出題されます。
それに伴って数学の授業などが変化している最中です。
統計の指導のために統計の知識をしっかりと持たなくてはならない。
数年前からこの意識があり高校生の時に合格した数学検定1級のテキストを見るなど最低限の統計の知識は保ってはいました。
統計検定1級は本格的な統計学と聞きました。難易度は高そうですね。
数年前から書店で統計検定のコーナーには足を運んでいて、面白そうだと思っていました。
統計検定1級の内容は数学検定1級とは別物で、数理統計学と幅広い統計的な思考が必要になります。
さらに最近では人工知能AIの発達もあり、今後の社会では統計ができる人材が重宝されるということも言われ始めており、やはり興味関心が高まって統計検定1級を受けようと決めました。
過去問を見た感じだと統計検定1級に合格できたら一定以上の統計の力があるということになりすごいという認識を持ちました。
突然1級を受けた理由はなんですか?
統計検定2級は数学検定1級とレベルが似ているので大丈夫という確信があり、
統計検定準1級は1級とは違ってアクチュアリー数学に近い雰囲気を感じました。
僕は2023年の12月にアクチュアリー数学を受けたので、内容が被らない統計検定1級に使用と決意しました。
追記です。この試験後の2024年春に統計検定準1級までは合格しています。準1級の合格体験記はこちらです。
統計検定1級の参考書と勉強時間
勉強時間はどれくらいでしたか?
ちょうど1年です。
周囲に統計を勉強していると公言しだしたのが2022年の12月ですので、ちょうど1年です。
統計検定1級は1年勉強すれば合格できる方もいらっしゃいます。
1つの目安にしてください。
まずはマセマの統計学を読んで感覚を取り戻しました。本書は中学生の頃に購入した初めての統計学の参考書で思い入れがありました。内容は数学検定1級の2次の統計の問題が解けるようになる程度の到達点です。
本書を読んで、区間推定ってすごい面白いなと感じたことを覚えています。
そしてマセマのあとにアクチュアリー数学でおすすめされているいくつかの参考書を読んだのですが、今回はそちらの紹介は省略します。
今回のメインは統計検定1級ですからね!
統計検定1級の統計数理の合格におすすめされる有名な参考書。通称竹村本。僕は久保川先生の次の本より先にこちらを購入して、挫折しました。
本書は数学本というよりは、語り口調がずっと続く本です。定義→定理→証明の流れに慣れている方は読みづらさを感じるかも知れません。
この本は決定論が全面に押し出されており、実は統計検定1級の内容とは少しずれているかも!ということが受験直前期くらいに気付きました。しかし決定論までの内容が理解できる方にとっては本当に素晴らしい本であると思われると感じます。
統計検定1級の受験を決めたらまっさきに買わないといけない本です。本書の前半までにある演習問題を解けば統計数理は受かるというのが定説です。
僕はこの本を先に買っておけば良かったと思っています。統計検定1級を考えている方はすぐに購入してください!
本書は後半部分の回帰分析からの統計応用部分は前半部のテイストと異なった説明になっており、理解が難しいことが欠点です。
『現代数理統計学の基礎』の弱点であった後半部分に具体例がたくさんついて、統計応用にも対応可能となった本です。本書の著者も久保川先生です。個人的には久保川本2冊をしっかりと理解できれば合格ラインに達すると思いました。この本が出るまでは、統計応用の対策書は統計検定協会公式の『統計学』しかありませんでした。
本書の発売日が本番の1ヶ月前でした。今年は間に合いませんでしたが来年に向けて共に準備をしましょう!
統計検定1級の過去問の難易度について
統計検定1級の過去問(2012~2022)
過去問はすべて学習した状態で本番に臨みました。
2020年は社会現象が生じた流行り病のために中止となったので過去問は2012年〜2022年(2020年除く)の10回分です。
難易度について軽く教えてほしいです。
統計数理は2014年と2015年が難易度が高すぎてその後は一定に落ち着いています。
統計応用は2018年までは数理寄りの問題が多かったですが2019年からは数理問題が減っており2021年は1問という難易度でしたが2022年には数理寄りが2問になり難易度が下がっています。
統計検定1級の過去問の問題の概要と難易度については下記の記事に詳しく解説しております。
統計検定1級の統計数理の過去問解説→こちら
統計検定1級の統計応用の共通問題の過去問解説→こちら
統計検定1級の統計応用の人文科学の過去問解説→こちら
合格ラインはどれくらいですか?
統計数理は6割で統計応用は5.5~6割と言われています。
統計検定1級が難しい理由は時間の足りなさです。
統計数理と統計応用、共に90分と90分の試験で、時間内に大問3題を5題から選択して解きます。
厄介なのが、どれもある程度までは解けそうという状態です。問題選択で迷って時間を浪費してしまったのが今年の僕です。
難易度は想定していたもの以上に高く、本番で苦戦を強いられました。
過去問を全部購入するのがもったいないと思う方は、公式の『統計学』に過去問がちりばめられているので、こちらの購入をおすすめします。
統計応用の対策のために昔からおすすめされていた公式本です。ただし行間を読むのがとても大変です。巻末にはたくさんの過去問が収録されております。ここの部分だけでも価値は高いと思います。
統計検定1級の受験の様子と答案作成の注意点
お昼ご飯は別の教室です!
2023年11月18日(日)の午前と午後に試験がありました。
前半の統計数理では開始から1時間くらいとても緊張してしまったことが落ちたことの原因の1つです。
久しぶりの数学の試験で気合が入りすぎていました。反省です。
また、答案作成にも注意がありそうです。以下のツイートの備忘録をご覧ください。
要するに公式を暗記して解いたと思われる答案は採点されなさそうなのです。
このような答案を意識して書いてしまったことが落ちた原因の大部分を占めていると感じました。反省です。
積分をちゃんとやった成果を見たいなということだと思いますね。
後半の統計応用での出来は5割ちょっとだったので不合格かなと終了時に思いました。
統計応用は数理寄りの問題が復活しだしています。久保川本2冊は必携だと確信しました。
統計応用は大問1がただの行列計算だったことが試験終了後に判明し悔しさを感じました。
問題を見て点数を取れる問題を判断する力がとても大事です。
ちなみに昼食は別の教室に移動して食べます。一度経験しておけば次回はスムーズに移行できそうです。
統計検定1級に来年再挑戦します!
来年に向けて改善すべき点を教えてください。
時間内に問題を解く意識を持つことと、幅広い統計手法を意識した学習をします。
統計検定1級とアクチュアリー数学の受験が終わってから、RやPhythonを用いた統計の内容や、もっと広いデータサイエンスに興味を持ち始めました。
現に2021年に統計応用で決定木の問題(機械学習)が出ていることもあり、数理統計学を基盤とした広い統計学を意識して統計学の面白さを学んでいきたいと思います。今回の統計検定1級に合格された方々、おめでとうございます。僕も後続できるように精進します!!
統計検定1級の過去問の問題の概要と難易度については下記の記事に詳しく解説しております。
統計検定1級の統計数理の過去問解説→こちら
統計検定1級の統計応用の共通問題の過去問解説→こちら
統計検定1級の統計応用の人文科学の過去問解説→こちら