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現代数理統計学の基礎の第4章『多次元確率変数の分布』の例題と問の解答

2024年5月10日

統計検定1級の合格者のバイブルである『現代数理統計学の基礎』の多次元確率分布に関する内容になります。

当然ながら多変量の確率変数の問題は前回の第3章の内容よりも難易度が上がります。

変数変換でヤコビアンを用いる問題が増えることによって計算量が増えてしまうことも難点ですね。

その通りです。そのため第3章にはなかった例題が多数用意されています。本記事では例題の解説も行いますのでご安心ください!

しかし難しい問題にもポイントが必ずあります。本記事では問題ごとにポイントを提示していくことにより、問題内容を理解できるような構成になります。統計検定1級合格を目指してともに頑張りましょう!

著:久保川達也, 著:新井仁之, 著:小林俊行, 著:斎藤毅, 著:吉田朋広

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.1

同時確率関数

離散量の確率変数では確率密度関数ではなく確率関数を考えます。

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.2

同時確率密度関数

今回は確率密度関数の問題ですね!

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.4

条件付き確率

離散変数バージョンの問題です!

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.6

条件付き期待値

連続変数のバージョンで前問よりも聞かれている内容が多くなっています。

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.8

無相関

独立ならば無相関ですが一般的に逆は成立しませんが、正規分布の場合は独立と無相関は同値になります。

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.9

周辺分布

条件付き分布の定義を思い出せばすぐに解ける問題です!

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.10

階層モデル

難しそうな名前ですが構造を捉えれば条件付き分布と本質的には同じ問題です。

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.12

全分散

統計検定1級でもアクチュアリー数学でも全分散の公式は頻出ですので覚えておきましょう!

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.13

全分散

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.14

ベータ・二項分布

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.15

ガンマ・ポアソン分布

難問です。負の二項分布を導出する部分でpに相当する部分を技巧的に算出しています。

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.16

極座標変換

1変数の場合と違い2変数の変換の場合はヤコビアンに絶対値をつけましょう!

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.17

ヤコビアンの絶対値

最後のB(a,b)の式でwの指数はa-1の間違いです。お読みの際はご訂正をお願いいたします。

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.18

ボックス・ミュラー変換

アクチュアリー数学で頻出です!

現代数理統計学の基礎『第4章』例題4.19

指数関数の内部に注目

正規分布の形から期待値と分散を読み取れるようにしましょう!

現代数理統計学の基礎『第4章』問1

コーシー・シュワルツの不等式

現代数理統計学の基礎『第4章』問2

特殊なタイプの分布関数の求め方

かなり特殊な問題です。本問の類題は本書以外には見当たりません。素晴らしい問題です!

現代数理統計学の基礎『第4章』問3

条件付き期待値

難問です。1つ1つの式変形をしっかりと追っていきましょう!

現代数理統計学の基礎『第4章』問4

多変量正規分布

多変量正規分布に関する性質の証明問題です。

多変量正規分布の全てをまとめました!

現代数理統計学の基礎『第4章』問5

再生性

積率母関数を使えない場合は計算が厄介になることがお分かりいただけたと思います笑

積率母関数

やはり積率母関数を用いた証明は鮮やかですね!

現代数理統計学の基礎『第4章』問6

場合分け

こういった標準問題に慣れることが大事です!

現代数理統計学の基礎『第4章』問7

再生性

現代数理統計学の基礎『第4章』問8

ボックス・ミュラー変換

標準一様分布から標準正規分布を作るための変換です!

現代数理統計学の基礎『第4章』問9

2変量正規分布

現代数理統計学の基礎『第4章』問10

積率母関数を用いて同時分布を求める

変わった問題ですが良問です!積率母関数の意外な使い方に関する内容です。

現代数理統計学の基礎『第4章』問11

難問です。ヤコビアンを用いる場合は1対1対応になることを確認してから用いましょう!

同時分布と周辺分布の独立性

この後に数題登場する周辺分布の独立性の問題です。

左上に書いてあるガンマ分布の公式は初めて見ました!

アクチュアリー数学の神本で有名な藤田先生の『弱点克服 大学生の確率・統計』にて詳しく紹介されています!

現代数理統計学の基礎『第4章』問12

第4章で最も難しい問題です。

どうやって解くのかの道筋を考えましょう!
対称性を考えましょう!
上図を見ながら積分範囲を考えましょう!
最後まで難しいですね

非常にボリューミーな問題でしたね。

現代数理統計学の基礎『第4章』問13

難問です。確率密度関数を求めるのに分布関数のような式を用いる不思議な問題です。

確率密度関数の特殊な求め方

現代数理統計学の基礎『第4章』問14

同時分布

ガンマ分布とベータ分布間の関係式も似たものがあります。こちらをご確認ください。

現代数理統計学の基礎『第4章』問15

3変量同時確率密度関数

現代数理統計学の基礎『第4章』問16

条件付き共分散

なかなか珍しいタイプの問題です。統計検定1級に出題されるかも知れません。

現代数理統計学の基礎『第4章』問17

相関係数

現代数理統計学の基礎『第4章』問18

相似記号の利用

相似記号を用いると式変形が楽になります!

現代数理統計学の基礎『第4章』問19

ベータ・二項分布

現代数理統計学の基礎『第4章』問20

ガンマ・ポアソン分布

現代数理統計学の基礎『第4章』問21

2変量正規分布

現代数理統計学の基礎『第4章』問22

難問です。記述量も多いです。積分計算の式変形で特殊な方法を用いています。

ディリクレ分布
周辺分布

この結果はアクチュアリー数学で頻出です!

条件付き分布
相関係数

現代数理統計学の基礎『第4章』問23

多項分布

現代数理統計学の基礎『第4章』問24

多変量正規分布の積率母関数

よく見ると1変量の場合とそっくりなことに気づきましたか?

以上で『現代数理統計学の基礎』の第4章は終了です。難問も複数あり例題と合わせてかなりのボリュームでしたね。次回も一緒に頑張りましょう!次の第5章はこちらです!

著:久保川達也, 著:新井仁之, 著:小林俊行, 著:斎藤毅, 著:吉田朋広
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志田龍太郎

東京大学修士→30代セミFIRE元数学教諭(麻布高など指導)/アクチュアリー数学,統計検定1級(2024年に再挑戦)/数検1級→高3・漢検1級→教諭時代に合格/ブログ+SNS運営/AmazonAssociates連携

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