志田龍太郎

東京大学修士→30代セミFIRE元数学教諭(麻布高など指導)/アクチュアリー数学,統計検定1級(2024年に再挑戦)/数検1級→高3・漢検1級→教諭時代に合格/ブログ+SNS運営/AmazonAssociates連携

2024/2/12

パス解析に触れて相関係数や偏相関係数やその先の理解を深める方法を解説

統計検定1級で偏相関係数を間接的に出させる問題が出ています。この偏相関係数を解説している書籍は少なく、お手上げ状態の方もいらっしゃると思います。 私も困っていました。公式も覚えにくいし、どうやってあの式が出てきたのかも分からないので、その問題は飛ばしてしまいました。 ここでは相関係数の内容を発展させた偏相関係数の話題や、さらにその内容に関連するパス解析という多変量解析の手法を解説します。永田先生の『多変量解析法入門』はとてもおすすめですので紹介しておきますね! 重回帰分析における標準偏回帰係数の重要性 h ...

2024/2/10

クラスター分析のやり方を最短距離法とウォード法をメインに解説

多変量解析ではとても有名なクラスター分析について解説します。 前回の多次元尺度構成法よりも断然難易度が低いのでご安心ください! クラスター分析はどういった分析法ですか? クラスター分析とは、各サンプルをウォード法などを用いてクラスター(グループ)に分けて、各クラスターがどのようなサンプルで構成されるのか?そして各クラスターの意味について考える分析法です。 主成分分析と似ていますが、どのような違いがあるのですか? 素晴らしい質問です。この記事が進めば疑問も解消されていくと思いますので、時折その質問にも触れて ...

2024/2/9

多次元尺度構成法の非計量MDSと計量MDSの解析方法をわかりやすく解説

多変量解析の中でも特に抽象度が高い内容を勉強します。 多次元尺度構成法という名前からして難易度が高そうです! 統計検定1級の公式参考書『増訂版 日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学』の中でも統計応用(人文科学)の中でのみ登場する難し目の手法になります。 本来ならば多変量解析は統計検定1級の統計応用などの共通部分で出てくる感じなのですが、この多次元尺度構成法は共通分野から外れていることからもレベルが一段と上がっているという認識になります。 僕は統計応用(理工学)を考えているのでなおさら、難しいなと ...

2024/2/8

数量化3類を主成分分析の応用の観点から具体例を通してわかりやすく説明

数量化理論は今までで数量化1類の記事を書きました。数量化1類は重回帰分析の発展でした。 数量化2類の記事がありませんが、なぜでしょうか? 数量化2類は判別分析の発展ですが、ダミー変数の内容など数量化1類とほぼ同じなので記事にしなくても良いかなと思いました。 そして今回の数量化3類は主成分分析の発展です。前回の記事で感じた方もいらっしゃると思いますが、主成分分析では目的変数yが存在しません。そのため数量化3類でも目的変数は存在しませんのでご注意ください。 https://www.muscle-castle. ...

2024/2/7

主成分分析での固有値の役割を行列の考えを用いてわかりやすく解説

多変量解析の1つの山場である主成分分析について解説します。 判別分析よりも数段難しい印象です。なぜこんなに難しく感じるのでしょうか? 線型代数の知識を知っている状態で解説している書籍が多い理由と、次元を削減していく内容なので行列処理で理解していかないと理解が難しくなる理由があるためです。 今回の主成分分析は線型代数の固有値の知識をかなり用います。線型代数の知識について不安な方は、数学検定1級の記事をご覧になってください。具体的な学習法が書かれています。 https://www.muscle-castle. ...

2024/2/3

判別分析を行列表示と具体的な説明を通してわかりやすく解説

母集団との距離の考えを用いて、サンプル(本来考えたい状況)がどちらの母集団に属するかを判別する解析法を判別分析といいます。 どちらの母集団になるのかをきちんと数学的に考えていくのですね。ただまったくどうやって判別していくのかが見えません。 たとえばあるXさんがいたとします。XさんはAグループとBグループのどちらに属しているかを考えます。通常の感覚だと、XさんとAグループの距離感と、XさんとBグループの距離感を考えて、距離が短い方のグループに属していると判断ができますよね。これと同じことを多変量解析で考えま ...

2024/2/1

数量化1類の重回帰分析と異なる点を理解して活用できるようにする方法

前回の記事で重回帰分析が終わりました。記事をアップしたのが昨日でしたが、思い返すと回帰分析の2記事(単回帰分析と重回帰分析)だけでも相当な量がありました。 今回は数量化1類ですね。名前からしてなんだか難しそうなイメージですが、実際はどうでしょう? 数量化1類は重回帰分析とほぼ変わらない内容です。重回帰分析と異なる点を意識すれば思ったよりも早い段階で活用できる段階まで到達できます。 重回帰分析があれだけの学習量だったのには理由があったのですね。 今回の数量化1類の例などのアイデアのヒントは『多変量解析法入門 ...

2024/2/1

重回帰分析を行列表示から始めて全公式をわかりやすく解説

前回の記事で単回帰分析を詳しく解説しましたので、今回は重回帰分析になります。とても難しいのですが、多変量解析の中では2番目に登場する内容です。単回帰分析よりも精密な分析が可能です。 重回帰分析は便利そうなのは伝わりました。では、どのように難しいのですか? 重回帰分析は重回帰モデルを行列表示して進めていくと、ほとんどが単回帰分析のときと変わらないとお気づきになると思います。しかし、テコ比などの具体的な計算となると、単回帰分析とは計算量が大きく異なり難易度が増します。 本記事では重回帰分析の内容をほぼすべて消 ...

2024/1/30

単回帰分析のやり方を行列表示で説明し全公式をわかりやすく導出

多変量解析の話題の第一弾として、単回帰分析を学びます。回帰分析は多変量解析の書籍の始めに登場するものです。多変量解析は色々な種類があり、これらを使いこなせる方は分析が上手い方という認識です。 僕が最初に単回帰分析を知ったのは数学検定1級を受けるために『確率統計キャンパス・ゼミ』で統計を勉強していたときでした。数学検定1級の1次検定でも「回帰直線を求めよ」という問題が出るためです。 単回帰分析はどのような分析手法なのですか? 説明変数xを用いて目的変数yを予測するためのものです。単回帰分析では回帰直線という ...

2024/1/27

カイ2乗検定の例として同等性検定・独立性の検定・正確性の検定・マクネマー検定をわかりやすく解説

前回で勉強したカイ2乗検定(適合度の検定)を基本として、クロス表(分割表)を利用するさまざまなカイ2乗検定を紹介します。理解としてつながる順番(同等性検定・独立性の検定・正確性の検定・マクネマー検定)で解説していきます。 適合度の検定で、学んだピアソンのカイ2乗検定統計量がカイ2乗分布に従うことを次の記事でご確認ください。 今回勉強する、同等性検定・独立性の検定・正確性の検定・マクネマー検定などではカイ2乗分布の自由度に関する考察が大事になります。その都度、自由度はいくつになるのか?を一緒に考えていきまし ...