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アクチュアリー数学の知られざる参考書『基本確率』の第3章と第4章の例と演習問題の解説

2024年5月31日

アクチュアリーの主に確率分野の対策として過去問の的中率が高い『基本確率 (経済の情報と数理 2) 』に関する記事の第2部です。第1部はこちらです。

本書に関する記事は全部で4部構成となっていますので、今回までで本書の半分を終えたことになります。

第1部:第1章と第2章(確率の出し方)
第2部:第3章と第4章(ベイズの定理)
第3部:第5章〜第8章(確率分布総論)
第4部:第9章と第10章(条件付き分布と極限理論)

本記事では第4章の例題に難問が集中しています。しかし最後の答えの結論について考えさせられる問題が多く、どの問題も見逃せません!

基本確率の第3章の例

条件付き確率
数え上げ
条件付き確率
積事象の確率を分解する公式
一般化した結果です
トランプの問題
独立の証明
独立の証明

第3章や第4章のこのような証明問題は結論を同値変形していくと示すべき式が見つけやすくなります。

独立⇨ペアワイズ独立の証明

ペアワイズ独立とは『データ解析のための数理統計入門』に詳しく載っています。統計検定では準1級のレベルです。3つ以上の事象が独立とは任意の2つの事象が独立(2つの積事象の確率が2つの事象の確率の積に分解できる)、かつ3つの積事象の確率が3つの事象の確率の積に分解できることが必要十分で一般化可能です。

余事象を考える
パスカルの方法

より詳しい説明はアクチュアリー数学対策として有名な通称リスク本『リスクを知るための確率・統計入門』に丁寧に載っています。

先に強い方と対戦した方が有利

とても意外な結果でした。私は(2)の方が有利だと思っていました。確率は面白いですね!

反復試行の確率
一騎討ち問題

第3章での唯一の難問です。この結果は紳士的ではないと思われるかも知れませんが生き残るためには有効な手段です。

基本確率第3章の演習問題

条件付き確率
高校生の教科書にもある簡単な問題です
独立の仮定に注意

事象をどのように設定するかで解けるかどうか別れる難問です。

国語力が問われる問題
場合分けに注意
直感では外しやすい良問

基本確率の第4章の例

第4章はこれまでの章とは異なり例題の多くが難問です。

全確率の公式
メニュー問題

アクチュアリー数学の過去問でほぼ同じ問題が出題されています。

巴戦

巴戦で実力が拮抗している場合は対戦順で有利不利が出てきます。

これは初見ではみんな引っかかる問題ですね!

僕は初めてこの事実を知った時は衝撃でした。確率の問題を解いていて最も衝撃が走った問題でした。

開票問題

難問です。初見ではまず解けないでしょう。アクチュアリーの試験形式的に、どのような出され方で問われても正解したい問題です。

トーナメント問題

難問です。難問ですが実用的な問題です。

破産の確率

超有名問題です。結果は暗記したいですね。

破産の確率の応用

難問です。そもそも破産の確率(先に実現してしまう確率)を使おうと思うところから難しいです。

第4章で最も難しい問題です。難しいため3つに分けます。
最良物件問題
この小問は普通の大学入試的な問題です
自然対数の底が絡む結果になりました
知っていれば得することがあるかも知れません
統計検定2級でよく出てくる問題です
刑事の判断問題

ほぼ確実に犯人の人を「あなたは犯人じゃない」と無罪の証拠を集める努力がとても切ない行動に感じる良問です。

コナン君の名セリフが蘇ります。

遭難問題
モンモールの問題

モンモールの問題は2023年度の統計検定1級の統計応用の共通問題で出題されました。

思ったよりも高い確率が出る不思議な問題

基本確率第4章の演習問題

同値変形をしましょう!
2項間漸化式の普通の問題
出鱈目に関する問題
飛行機事故の問題

第4章の演習問題での難問です。とにかく事象の設定が難しいです。

統計検定準1級レベルのベイズの定理を用いる問題
最後は普通の問題

第4章は以上になります。特に例の後半あたりの難問が厳しかったですね。

難しかったですが結果に驚く問題が多くて楽しかったです。

次回も『基本確率 (経済の情報と数理 2) 』を片手に頑張りましょう!

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志田龍太郎

東京大学修士→30代セミFIRE元数学教諭(麻布高など指導)/アクチュアリー数学,統計検定1級(2024年に再挑戦)/数検1級→高3・漢検1級→教諭時代に合格/ブログ+SNS運営/AmazonAssociates連携

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