本記事ではアクチュアリー数学の過去問において、離散型確率変数でも連続型確率変数にも分類されにくい一般的な確率の問題を扱います。そのため難易度は高くなります。
このようなタイプの問題は初見率が高いため、必然的に難問になる可能性が高まります。
本記事を学習される前に、次の2つの記事の復習をお勧めします。
本記事ではアクチュアリー数学で使われる特殊な公式を多々用いています。『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学 第2版』は合格に必須の公式が掲載されている唯一の参考書です。お手元に置いて本記事をご覧くだされば学習効率が上がります。
また本章では特殊な確率の題材を問う問題が頻出です。合格者が推薦する『明解演習 数理統計』との併用をおすすめします。本書と同じ問題が出ているためです。
確率
平成元年度数学Ⅰ問1(6)チェビシェフの不等式
別解の方は公式の解答ではなく自力で解いた解法になります。しかし別解の方がストレートな感じがしますので、本番では別解の方が速く正解に辿り着けます。
平成2年度数学Ⅰ問1(2)碁石の問題
かなり特殊な問題です。2024年11月現在、これ以降は試験で問われていないタイプです。
平成3年度数学Ⅰ問1(9)1ダース問題
余事象の確率がテーマの良問です。
平成5年度数学Ⅰ問1(2)二次方程式が実数解を持つ確率
次数が多いbを固定するのがコツです。数学検定1級にも類題が出題されています。ただし数検の場合は2次検定で、アクチュアリー数学では小問としての出題です。アク数の難易度の高さが垣間見える一例です。
平成7年度数学Ⅰ問1(4)確率密度関数となる確率
一体どこから手をつければ?!という難問ですが、ヒントはあります。それは確率密度関数の定義を思い出すことです。
困ったら定義に帰りましょう。原点回帰です。
また、本問はラプラス分布を知らないと解けません。
平成7年度数学Ⅰ問2:宝くじの問題
最後の問題が難問です。今後出題される可能性はあります。
平成10年度数学Ⅰ問1(6)出火確率
『明解演習 数理統計』に全く同じ問題があります。本書の確率分野の有名問題は要チェックです。
試験に未出の問題もたくさんあります。
平成11年度数学Ⅰ問1(5)重複組み合わせの応用
これは瞬時に解きたい問題です。
平成13年度問1(9)トレーズ
超有名問題です。『明解演習 数理統計』に数字のみが異なる問題が載っています。
本問は撹乱順列の問題です。撹乱順列をn!で割ったものが先ほどの公式です。撹乱順列の総数は3項間漸化式の立式か、包除原理で求めます。前者は特定のi番目が1番目に置換する場合と、特定のi番目が1以外に置換する場合は排反であることから漸化式の立式が可能です。後者は余事象を考えます。i番目が移動しない順列の総数をAiとでも設定すると全体の置換数n!からn個の集合の和集合を引けば良いです。
平成14年度問1(3)レアな問題
本問はかなり特殊なタイプの問題です。シグマを使うことに気がつかないと泥沼です。
平成14年度問1(8)無限小数
無限小数の問題は繰り返しを意識した方程式の立式を考えます。
平成16年度問1(3)ひっかけ問題
前半部分で1つの場合を引くことに注意しましょう。
平成29年度問1(2)2次元ランダムウォーク
本問で与えられているΣの公式は覚えておきないさいというメッセージかも知れません。
期待値
平成7年度数学Ⅰ問1(3)イヤリング問題
確率変数の設定を意識しましょう。
イヤリング問題は初見ではかなり厳しいですね。
平成9年度数学Ⅰ問1(9)玉ねぎ型確率
平成15年度問1(6)最初の立式
2018年度問1(1)正誤問題
2020年度問1(1)赤玉と白玉
確率変数を複数設定するので難問です。類題は未出のため要チェックの問題です。
分散
平成5年度数学Ⅰ問1(1)何から手をつけたら良いか不明の問題
難問です。とにかく解法を頭に叩き込むしかありません。
平成10年度数学Ⅰ問1(7)確率変数の分解
分散のところで共分散が必要なことに気づけば間違うことはないでしょう。
2018年問1(4)コイントス
二項間より離れた箇所での共分散は0であることに注目します。素晴らしい良問ですが難問です。
相関係数
平成3年度数学Ⅰ問1(7)二変数関数
かなりの計算量を要求される統計検定1級の統計数理に似た感じの難問です。
平成11年度数学Ⅰ問1(8)回帰分析
かなり良い問題だと思いますが、頻度は低いです。どちらかというと統計検定1級の統計数理で出そうです。本問のように恒等式系の考えはとても大事です。
本記事ではアクチュアリー数学で使われる特殊な公式を多々用いています。『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学 第2版』は合格に必須の公式が掲載されている唯一の参考書です。お手元に置いて本記事をご覧くだされば学習効率が上がります。
また本章では特殊な確率の題材を問う問題が頻出です。合格者が推薦する『明解演習 数理統計』との併用をおすすめします。本書と同じ問題が本番でも多数出題されています。